なのはなユニオンニュース

2025年11月7日 No.324号

更新

第38回定期大会開催

委員長は鴨桃代から

太田茂雄にバトンタッチ

第38回定期大会の概要

 なのはなユニオンの第38回定期大会は9月27日に船橋東部公民館で開催された。主な内容は、委員長あいさつ、来賓あいさつ、24年度活動報告、24年度決算、25年度活動方針(案)、25年度予算(案)で、役員選出とスト権決議については一票投票が行われた。投票の結果、次回の大会までのスト権が確立され、また長年執行委員長を務めてきた鴨桃代さんは副執行委員長になり、太田茂雄さんが新執行委員長に選出された。今大会で長年の目標としてきた役員の世代交代を進めることができ、組合員300人の実現に向け踏み出した。

新執行委員長挨拶

太田 茂雄

 この度、なのはなユニオンの第38回定期大会において新執行委員長に選出されました太田茂雄と申します。大会当日は、ご多用の中、組合員と来賓を含め約40人の方々にご出席賜り、誠にありがとうございました。
 今大会では、長年なのはなユニオンの先頭に立ち、私たち組合員の権利を率先して守って頂いている執行委員長の交代があり、驚かれた方もいらっしゃると思います。当事者である私自身もプライベートで一緒に山登りをしてみて、誰よりも元気で体力のある鴨前執行委員長が当然今期も担って頂けるものとばかり期待しておりましたが、世代交代の波に飲み込まれるような形での交代となりました。この執行委員長の交代に不安を覚える組合員の方々もおられるのではないかと思いますが、鴨ご夫妻や執行委員皆が守って来た尊い活動や組織を皆様と共に力を合わせて必死に守り抜くゆえ、方針が大きく変わるということは一切ございませんので、ご安心頂ければと願います。
 自身は執行委員の中でもユニオン活動歴はまだ浅いですが、これまで福祉の現場で貧困問題に多角的に従事して来た経験を活かしながら、また事務局や組合員の皆様のお力もお借りしながら、組合活動に従事していく所存です。
 今後とも引き続き、ご理解、ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

新執行委員

三橋 幸司

 生来争いを好まない性格です。長年会社には忠誠を尽くし、上司には従順で、愚直に勤めてきました。
 最近になって、社内に役員によるパワーハラスメントが蔓延し、その被害が同僚にもおよぶに至って、小心な私もようやく異議を申し立てました。たちまちパワハラ役員の攻撃が私にも向けられ、あわててなのはなユニオンに駆け込んだという次第です。
 齢五十の半ばを過ぎて、会社とはじめて対等に「交渉」する立場になりました。労働三権の何たるかを教えてくれた組合には、感謝と信頼を寄せています。もっと早く知っておくべきだったのでしょうが、しかし役員のパワハラがなければ一生知らなかったかも知れません。なのでパワハラ役員にも感謝かな?

新執行委員

木村 洋一

 私は鍼灸師の免許を取得し、それを生業としてきました。修業時代は薄給で早朝から深夜まで勤務し、辛く楽しい時間だったと感じています。その後独立開業し鍼灸を生業としていましたが、地域課題であるところの高齢者や障害者に対応するため、起業し介護や福祉の分野へ参入しました。現在は、介護支援専門員、相談支援専門員として、人生の終末期のケアや児童への行動緩和ケアや、成人には住居や就労についてのケアをしています。労働は雇う側と雇われる側になり、一度関係がこじれ壊れると、雇われる側が被害を受ける。そんな労働者たちの一助になれたらと思い組合に入り、執行委員となりました。ご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。

★もうすぐ初めての団体交渉を行いますので緊張しております。(IK) 
★不当解雇でなのはなユニオンのお世話になり、それから15年。様々な行動に参加してきました。良い経験になりました。私もだいぶ年を取りましたが、これからも闘う皆さんを応援していきたいと思います。(IY)  ★定年まであと10年!頑張ります(TY)
★今年の夏からコルセットを付けて仕事をしています。毎週土曜日は整形外科に通院しています。(TK) 
★デイサービスで介護職のパート勤務をしています。低賃金で人手不足。外国人特定技能職員のMさんは、「だいじょうぶ?」と私にも声をかけてくれる働き者です。国際連帯とチームワークを職場から広げたいと思っています。(NH) 
★第38回定期大会おめでとうございます。なのはなニュースを拝見し、若者の元気に私もゲンキをいただいています。身体に気をつけてがんばりましょう。(IT) 
★いつもお世話になります。私は元気です。なかなか連絡できず申し訳ございません。定期大会は欠席しますが今後とも宜しくお願い致します。(IK) 
★「一人春闘」もあると貴紙で知りました。公務員組合を経験してきた身にとって驚きと、そして尊敬の想いでいっぱいです。皆さんのご検討を祈っています。(IS) 
★大会はあいにく派遣バイトが入っているため出席できません。日々派遣のバイトに精進しております。どうか皆さんご自愛ください。(OA) 
★世の中不便になりました。電話1本で済むところ、電話はお断り、メールで申し込みのみ受け付けなんていうのが、、、もうパソコンやスマホを持って作業できることが前提。でもアドレス入れてもパスワードをひねり出しても「文字が間違っています」というメッセージが出て先に進めない。認証番号とやらをもらって入れるのにモタモタしているとすぐにその番号は使えなくなってまたやり直し、、、いったい何時間こんなことやってんだ!!ということになる。こんなに進歩?しなくてもダイヤル電話くらいで止まっていれば良かったんじゃない?と思うこのごろです。(OY) 
★ひたすら暑いです。25℃を超えると「真夏日」 …私の「エアコン設定温度」です。(HK) 
★体調を整えながら就活しております。まだ予定がはっきりしないため、欠席すみません。(KM) 
★いつもガンバっているのがニュース見て分かります。これからも頑張って下さい。(KM) 
★76歳になりました。年齢は意識しないようにしていますが、体力・気力・知力のおとろえを感じつつ、いつも「なのはなユニオン」の皆さんのたたかいに勇気づけられています。生活を守り、命を守り、平和を守るのも労働組合の歴史的任務だと思います。与えられた条件のもとで共に頑張りましょう。(KT) ★定期大会に出席できず申し訳ありません。いつもありがとうございます。(SJ) 
★マンション管理員、清掃員の代行の仕事をしています。(ST) 
★ユニオンニュース、皆さんの活躍に元気をもらいます。毎回「山便り」も楽しみです。働く人たちの貧困や差別の問題解決のために生涯現役でお願いします。組合員の皆さん、私たちも戦後80年の今、これからも戦争を許さないために頑張りましょう。ロシアのプーチンやイスラエルのネタニヤフのような「戦争犯罪者」を許してはいけないですよね。(YS) ★暑いですね。来年が心配です。(NK) 

★なんとか生きています。今後の先行きを考えると生存するのが難しいと感じ、厭世観にとらわれて現状困っている事実です。(HT) 
★25年7月から休業待機しています。多分、次は他県に移動になります。その時にはご連絡いたします。(HH) 

★皆さまお元気でしょうか?そのせつは大変お世話になりました。これからも困っている方を救ってくださいね(笑)(FN) 
★いつも助けて下さりありがとうございます。なのはなユニオンがなければ、怖くて働けません。(MR)★この度、実家のある市に引っ越しました。今後ともよろしくお願いします。団結ガンバロウ!がんばれない時はまったりやろう!!(YM) ★人員が足りず、有給も取れず、夏バテしています。(TM) ★あつい夏がやっと終わろうとしていますが、何とかやっています。できたら参加したいのですが、、、排外主義を許すな!今こそ万国の労働者団結せよ!!です。(WK) 

★お世話になっております。おかげさまで普通に働けております。これからもよろしくお願い致します。(TW) ★今後ともお世話になります。(YK) ★お陰様で元気にやっております。(YM)

解決しました

P社/パワハラ・退職勧奨

正社員のTさんは、顧客向けセミナーを主催する会社で、リモートワークでWEB制作物や客先向けセミナー資料を作成する業務に従事していたが、仕事の指示が不明瞭だったり、制作物の出典に疑問がある場合には上司に確認するようにしていた。ある時のオンラインミーティングで上司に疑問点を投げかけたところ、それを「指示に従わない」「逆ハラスメントだ」などとして責められ、メンタルに不調を来たし、休職。復職を望んだがかなわず、会社から退職勧奨を受けた。数か月の団体交渉の結果、Tさんも納得する形で和解した。


成田空港裁判 東京高裁敗訴

 2023年12月に「成田空港株式会社の再雇用制度は高齢者雇用安定法と労働契約法に反する。」と提訴した裁判の判決が2024年3月27日、東京地裁にて下されたが敗訴であった。同年4月9日に高裁に控訴し、2025年9月11日に下された判決も敗訴であった。
 裁判官が下した敗訴理由は、①再雇用制度を選択することなく60歳で定年退職する場合と再雇用制度を選択して65歳まで就業する場合とで給与総額は304万6525円しか変わらず、年収に換算すると大幅に下回る旨の主張に対して、単純に定年退職の場合と賃金総額を比較してその差異を低額であると評価するのは合理性を欠く。そして58歳以降の労働条件が職務内容や職責に照らして著しく低額であると評価すべき証拠はない。また、継続雇用制度の具体的内容は65歳までの安定した雇用の確保という高年法9条1項の目的に反しない限り各事業主がその実情に応じて定めるところに委ねる趣旨と解されるので、その目的に反する証拠はない。②社内労働組合が再雇用制度導入後に内容変更を求めた証拠もないということは、この制度を承諾していると考えられる。③厚労省が「Q&A1-5と1-6」を削除したのは、労働条件の変更について事業主が留意すべき点などの具体的記載がなく、客観的・合理的な理由なく労働条件を変更して良いとの誤解を招く旨の意見があったためで、本再雇用制度が高年法の趣旨に反すると判断されたためではない、等々であった。地裁判決と変わらない内容なので、残念であるが最高裁への提訴は断念した。
 本裁判を争ったことで、今年4月の「Q&A」の改訂において、労働条件を下げてよいと誤解を招く「Q&A 1-5と1-6」の削除が実現できたこと。また、福島みずほ参議院議員による質問書にて、「事業主が客観的に合理的な理由なく賃金を引き下げる等の労働条件を下げてもよいとの誤解を招く旨削除した。またご指摘のような企業を把握した場合には必要に応じて削除した理由を説明しつつ、事業主において改善されるよう、これを促す指導を行う。」との「総理大臣答弁」をえることができた。裁判は負けたが、これからの高齢者雇用問題の改善に活かせるものを残せたと思う。
 一緒に裁判を闘ってくれた棗弁護士、市橋弁護士、また、「Q&A」の改訂に向けて一緒に取り組んでくれた全国ユニオン及びなのはなユニオンの皆さま、厚生労働省との話合いに3回立ち会ってくれて総理大臣答弁を引き出してくれた福島みずほ参議院議員、非正規雇用議連として厚労省を促してくれた石橋通宏参議院議員、本当にありがとうございました。敗訴でしたが意義ある闘いができ、原告組合員ともども感謝です。ご支援ありがとうございました。

《ご参加ください》
全国ユニオン 2026年春闘セミナー&討論集会

どなたでも参加できます。 奮ってご参加ください。
日時:2025 年 12 月 6 日(土)13 時 30 分~15 時 00 分
場所:スタンダード会議室 新宿GARDEN店 3階ガーデンホール

時間主な内容
13:40~15:20● 労働組合は差別・排外主義にどう立ち向かうべきか(仮)  
ジャーナリスト 安田浩一
15:30~16:00● 2026 春闘方針(案)
※内容及び時間は変更することがあります。

引き続き最低時給1500円を求めよう

 2025年度の最低賃金は、千葉県は昨年度比64円アップの1,140円、東京都同63円アップの1,226円など引き上げ額は過去最高となり、全ての都道府県で初めて1000円を超えました。(全国平均1121円)

 物価高や人手不足を背景に高い引き上げ額となりましたが、上げ幅が物価高に追いついてはおらず、実質賃金は目減りしているという課題は未解決です。

 毎年5月頃に行っている「ちばキャラバン」では「最低賃金全国一律1500円」を訴えていますが、石破前首相が昨年掲げた「2020年代に最低賃金1500円に」という政策を実現するためには、今年度の上昇6.3%を超える毎年7.3%の最賃の引き上げが必要なので、1500円の目標はまだ遠い状況です。

 なのはなユニオンは2026春闘において時給1500円以上を引き続き求めていきます。

ブラックフライデー
アマゾン本社前アクション

11月28日(金)午前11時開始
JR目黒駅集合予定(中央・西口)
※※東京ユニオンアクションに連帯※※

労基法の改悪に反対しよう!

 自公政権の与党過半数割れの状況で自民党は石破総裁から高市総裁への交代を行いました。政権の枠組みも自民・公明の連立から自民・維新の連立に変わり、10月21日にようやく高市氏が首相に選出されましたが、維新と同じく、労働者側というより使用者側に立つ高市首相が就任早々に行ったのは、労働規制の緩和検討の指示。2015年に過労自殺で娘の高橋まつりさんを亡くした母親は「会社に(残業を)やれるかときかれたら、従業員はやれませんとは言えない」と立憲民主党の部会で意見陳述しました。(右の新聞記事参照)

 今回のなのはなユニオンの大会でも鴨委員長、来賓の全国ユニオン関口書記長が、今回の改正において「デロゲーション」といわれる、労働者代表との合意により基準の「例外」を「原則」に転換させることの危険も指摘していました。働く人の最低基準を守る労基法の改悪の流れには全国ユニオンとともに断固反対していきましょう。


☆☆ おしらせ ☆☆

11月 3日 14時「憲法集会 今こそ平和といのちと人権を!」国会議事堂前
11月 6日 13時30分
       15時30分
OLC労働委員会
首都圏幹事会
11月13日 18時30分関西生コン報告会 連合会館
11月16日東京ユニオン大会
11月22日東京管理職ユニオン大会
11月26日 19時柏木塾 東京ユニオン会議室
11月28日 11時ブラックフライデー アマゾン本社前アクション
11月29日 18時なのはな執行委員会
12月 2日 14時なのはな三役会議
12月 6日 13時30分春闘セミナー スタンダード会議室
12月13日シニアユニオン大会
12月18日 15時30分首都圏幹事会
12月20日 18時なのはな執行委員会
 1月14日全国ユニオン旗開き IKE・Biz 6階
 1月24日 17時
       18時30分
なのはな執行委員会 
なのはな新年会

なのはなトーク


水の話し

日本では水はほとんどただみたいな感覚があります。また、どこでも好きな時に手に入るという感覚もあります。水道の栓を捻れば、そのまま水道の水が飲めます。もちろん美味しい水道水と美味しくない水道水はありますが、そのまま飲めるということでは、日本全国どこでも同じです。都市部の人はあまりそういう実感がないと思いますが、熊本や四国の西条などでは、こんこんと湧き出る清水が一般家庭でもあります。また、山の麓では、日本のどこでも美味しい水が手に入ります。それらの水はほとんど軟水でかつ美味しい水です。実に水に恵まれた国です。このような国は世界でもほとんどありません。日本くらいです。もちろん他の国でも山の麓などにそういう水場はあります。しかし、国土のほとんどの場所で水が豊富という国はそう多くはありません。そもそも国の中で水道がいきわたっていて、その水がそのまま飲めるという国は世界で十数カ国と言われる程の状況です。

 外国の一般的状況は水道水でも煮沸しないと飲料にできないという水道が多いです。水道がないか、国の一部にしか水道がないという国が世界の多くの国です。従って、世界的に言えば、水は世界的大企業が支配している状況があります。ヴェオリア社やスエズ社などが有名な水独占企業です。

 今、目立たないが深く静かにこれら外国の水独占企業が日本の水道事業や下水事業に入り込んできています。宮城県の水道・下水道事業、浜松市の下水道事業には既にヴェオリア社がコンセッション方式(普通の民間委託よりより強化された委託方式、ほとんど民営化と言っていいほど)という形で民間委託を受けています。水の民営化は、実は政府が強力に推し進めている施策です。水や下水は人が生活する上で1日とも欠かせない最重要インフラです。地震や台風など災害時でも、何をおいても復旧しなければならないものです。こんな重要なインフラが国民・市民が知らないところで、民営化されているのが現状です。

 これに対して、遅ればせながら宮城県でも浜松市でも市民の反対運動が起きています。習志野市の下水事業は2026年には民間委託への動きが本格化します。習志野市のことでいいましたが、当然のことながら、習志野市だけの問題ではなく、全国の県及び市町村の喫緊の問題でもあります。

さて、習志野市の水は約半分が地下200mから汲み上げる井戸水で、半分が利根川水系からの表流水です。この美味しい水を護ることに、そろそろ私たちも本気にならなければならない状況になってきました。黙っているとどんどん民営化が進められていきます。アンテナを高くしてがんばりましょう。(哲)